こんばんは、kanatoです。
今回も通勤中に読んだ本のご紹介です。
Winny 天才プログラマー金子勇との7年半
Winnyというソフトウェアをご存じでしょうか。今の若い人は知らないんじゃないかと思いますが、ファイル共有ソフトの走りというか、当時PCに詳しくなかった私(当時20代前半)でも聞いたことのある有名なソフトウェアでした。(私は使ったことはありませんでしたが、友人が幾人か利用していました。)
ただ、著作権法違反などで問題になった、そのソフトウェアの製作者が逮捕されたといったこともとニュースで聞いており、そんなことがあったんだなぁ・・・といった印象しか持っていませんでした。
それから約20年たって、本書を読んで、当時はおぼろげに聞いていただけの事件にこのようなドラマがあったことに驚きました。
主人公は天才プログラマー金子勇、もう一人は弁護士の著者、檀俊光氏です。
本書は壇氏の著作なので、弁護側から書かれているので、一概にこれだけを真実として考えるのはどうかと思いますが、検察側や警察は何ともお粗末な感じに思えます。そして、日本の裁判の何とも不条理というか・・・最終的には金子氏は無罪になりましたが、一審では罰金刑になっていたのですから・・・。著者も述べていましたが、今考えると無罪になって当たり前、有罪にだったらヘボ弁護。といった内容ではありますが、検察はもとより、裁判所も敵といった状況で、前例のない裁判に臨んだ若き筆者のプレッシャーはいかほどのものかと思います。
本書を読了して、後出しじゃんけんのように思っただけなんですが、
- 検察側は何をしたかったのか。メンツのためだけに裁判に持ち込んだような気もしました。警察側もとりあえず有罪にしたい・・・とか。
- 裁判には時間がかかりますね。金子氏は結審の数か月後に亡くなったそうですが、そう考えると示談で済ませたほうが良かったのではないか。金子氏の楽しみはプログラミングすることであり、その才能を世の中に棟にはプログラミングするしかない。
- しかし、有罪判定になるといろいろと弊害が出てくるし、名誉も傷つけられる。はたして、金子氏にとってどちらが良かったのかは謎。
- 著者にとっては名刺代わりの案件となり、良い経験になったのだろう。ただ、自身は金子氏とは戦友のようになっていたので、そんな意識はなかったと思いますが・・・
ちなみに、ブログを読むような感覚で最後まで読みにくさを感じることなく読了できました。裁判用語や技術用語も所々で解説されており、技術に疎い方でもきちんと本質が理解できるように作られていました。
最後に
ということで、今回は「Winny 天才プログラマー金子勇との7年半(壇 俊光 著)」をご紹介しました。いろいろと考えさせられる本でした。やっぱり、普通じゃない人は生きにくい国なんですね。日本って・・・。出る杭は打たれるというか・・・。
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